祈りの海
グレッグ・イーガン ハヤカワ文庫
◯貸金庫
ありふれた夢を見た。わたしに名前がある、という夢を。
傑作!これはほんとに面白い!
毎日同年代の男に乗り移って、一定にならない「わたし」を描いた作品。
私たちは「わたし」と同じように環境を選べるわけじゃない。ある環境に規定される人間関係の中で生きていて、その人間関係によって私の存在が規定されるなら、主人公が求めるような「自分」は、誰にとっても存在しえない。
最後に残るのは"集合的"な「自分」。例えば玉ねぎを1枚1枚剥いていったときに「真の玉ねぎ」は出てこないけど、全体としての1つの玉ねぎは存在しうるということなんじゃなかろうか。
それにしても、この太字部分のリフレインがすごくかっこいい。
◯キューティ
◯ぼくになることを
◯繭
◯祈りの海