飛浩隆 ハヤカワJA
繊細な描写の裏に潜む、退廃的エログロが心を揺さぶる一冊。数値海岸の静かな夜の海辺のシーンでは、一文一文の美しさが印象に残る。展開的な盛り上がりどころも完璧に掴んでいて、蜘蛛たちとの戦いの緊迫感もさることながら、ジュールがシチューから兎を取り上げるシーンの最大瞬間風速が大きくて鳥肌が立った。
蜘蛛たちの正体とか、夢幻アセンブラとか、数値海岸の真相とか、《天使》なる存在だとか、まだまだ設定的な謎も解き明かされていない。ジュールが歩むこれからの道先が気にかかる。
日本SFらしくリーダビリティも高いので、あらゆる層にお勧め。ランキングとなると、虐殺器官やハーモニー並に人気が高いのも頷ける傑作。
☆☆☆☆☆
長谷敏司
しっかり書くので保留にする。あんまり書きすぎると読書会のネタが……。
おすすめ度:☆☆☆☆☆
籐真千歳 ハヤカワJA
ライトノベル作家 × ハヤカワの企画から生まれた一冊。
可愛い揚羽ちゃんの表紙と分厚いハヤカワJAが両方備わり最強に見える。
タイトルから、あっエロい話なんだな、「ねじまき少女」みたいなエロいシーンがいっぱい出てくるんだろうなと思って回避してたんだけど、今月のSFマガジンの短編が面白かったので本編読んでみた。
結論から言うと、そういう方面でエログロな話はあんまり無くて安心して読めたんですが。