灼熱の小早川さん
著:田中ロミオ ガガガ文庫
Rewriteから流れる分かりやすい行動パターン。
クラス内政治って本当に怖いですよね。
まだまだ高校の思い出も真新しい、だけどもう一歩引いた大学1回生という、ちょうどいい時期に読めてよかった。
読ませる文章はもちろんとして、扱う題材の選択が良い。魔王や龍や悪の組織をぶっつぶすより、クラス政治を叩き壊すほうがよっぽど痛快。田中ロミオの地がこういう路線なら、支持を集めるのも頷ける。
最終的に2人がクラスを屈服させる展開が唐突に感じられたんだけど、このオチはライトノベルであるため、エンターテイメントであるために必要だったのかな。
ただ、クラス政治そのものの描写がうまいかと言うとそうではない。彼の中高生時代とは全く違う状況が現出しているのは当然だし、エンターテイメントとしてもっと突っ込む必然性がないんだけど、実感としては嘘臭いし不自然だ。私の体験的にはもっと幼稚なようだし、読書経験や伝聞によるともっと狡猾なみたい。地方の普通の共学校のスゴさは大学に入ってから知った。
そういうのは評論かリアリズム系の小説でも読めばいいと思うよ。中高生向けのライトノベルという媒体で、この本があることに意義がある。
おすすめ度:☆☆☆☆
参考:友だち地獄―――「空気を読む」世代のサバイバル 著:土井隆義 ちくま新書