村上春樹
キキとユキの圧倒的なヒロイン力にも関わらず、影の薄かったスミヨシさんと華麗にくっついた……w
全体を通してスリリング。特に事件が明らかになる後半からは息もつかせぬ疾走が。
ユキが死ぬのか?スミヨシさんが死ぬのか? えっ、ラスト一人はそうかそいつか!wというカタルシスもさることながら、悪魔的な引力に磨きがかかった春樹ワールドに飲み込まれていく。
村上春樹の魅力は、淡々と世の中を切り捨てながらウォッカを飲むような文体にある。そこにどうしようもないシンパシーを確かに感じる。社会背景はちょっと違って、今はもっと深刻に進行している状況だけれども、それよりも優先されるアトモスフィアを彼の文章は持っている。だから30年先の人間でも、わずかばかりのその雰囲気を感じられる。これが文章回路の経験伝達か。
☆☆☆☆☆